新那須温泉 山水閣 那須別邸 回

Category : 旅館・ホテル

離 佇 想 癒

御用邸用地として管理されていた那須高原の豊かな森の中に、温泉旅館「山水閣」と「那須別邸 回」はあります。銀行所有の保養所を別邸としてリノベーションすべく、まずは構造体の分析から始まり内部をほぼスケルトン状態に解体。改修テーマを「離佇想癒」と定め、言霊から導かれるその形を模索しながらレイアウトを決めていきました。基本レイアウトと仕上げはインテリア会社とコラボレートを実施、使いたい家具を決めてからその家具が映える空間の仕上げを模索しました。この作業は一つのデザイン会社の見方で空間構成を決めるのではなく、違う角度から多様な空間を演出してみてはどうだろうとの発想に基づくものでした。結果、基本動線はすべて同じながら一室は大きな梁を空間に取り込み古民家とモダンの融合、一室はスタイリッシュな部材を和の空間の中に取り入れた空間に。そしてもう一室はナチュラルな素材と格子のデザインを多く取り入れて、白木の持つ柔らかさと格子から感じる整然とした空気を融合させています。施工においてはコンストラクションマネージメントの概念を取り入れて、当時の旅館工事金額相場より3割近く工事価格を抑えることに成功しました。